産学連携支援センター埼玉では、大学・研究機関の研究・技術シーズと研究開発型企業が連携し、新たな製品・技術を開発する取り組みとして技術シーズマッチング会を開催します。第1回産学連携技術シーズ発表会は、材料・化学領域として産業の実用化が見込める技術シーズを講演します。貴社の製品・技術開発で大学・研究機関から技術指導・共同研究を受けたい企業は、ぜひ受講ください!
〇第1回産学連携技術シーズ発表会【材料・化学領域】
開催概要
■視聴できる期間
令和5年7月11日(火)~7月20日(木)10日間視聴できます
■視聴方法
講演の視聴を希望される方は、受講申込をお願いします。
受講申込をされた方へ、録画講演を視聴できるURLを限定で配信します
URLは、受講者のメールアドレスに開催前日までにメールでお知らせします。
配信期間中はいつでも聴講可能です。
■参加費 無 料
■定 員 60名
■概 要(講演時間は各20分程度です)
第1講演 電気不要の感熱型調光材料・感光型調光材料
埼玉工業大学工学部 教 授 木下 基 氏
電気で透過率を制御できるスマートウインドウが、新しい省エネ部材として住宅窓や自動車向け
に採用されているが、高価な透明電極が必須であることや停電時は使用できないなどの課題があ
る。本講演では自ら熱を感じて透過ー不透過の状態が切り替えられる感熱型調光材料や、自ら光
の強度に応じて集光特性が変化する感光型調光材料ついて紹介します。
適用分野:フォトニクス、エレクトロニクス
第2講演 天然ナノ材料を用いた布への消臭性等の機能付与
東京家政大学家政学部 教 授 濱田 仁美 氏
環境に優しい天然ナノ材料(ナノセルロース)を利用した布への消臭性等の新規機能加工法につ
いて解説します。介護や医療の現場のみならず、日常生活においても消臭・抗菌性能は需要の高
い性能となっています。我々の開発した技術では、環境に優しいナノセルロースからなる付与剤
を布等の繊維製品に塗布するだけで、消臭・抗菌性を発揮します。
また、この付与剤は数回の洗濯で吸着した悪臭物質ごと離脱させることができるので、再塗布に
より簡便に消臭・抗菌性を回復させることができます。基布を再利用でき、有害な成分を含まな
い環境に優しい付与剤です。
適用分野:衣料品、インテリア用繊維製品、寝具、衛生製品、クリーニング、洗濯用洗剤
第3講演 ホルムアルデヒドをアルコールに変えるパラジウム触媒
東京電機大学工学部応用化学科 准教授 山本 哲也 氏
アルコールは水素キャリアとして利用されるメタノールのような単純な構造のものから、電子材
料や医農薬およびそれらの中間体のように多品種少量生産されている様々な置換基を持つ複雑な
構造のアルコールまであり、幅広い分野で利用されています。
われわれの開発した有機パラジウム触媒は、ホルムアルデヒドと有機ホウ素化合物からを第一級
アルコールを製造したりフッ素や塩素原子の置換したさまざまなアルコールの製造が可能です。
適用分野:化成品の製造、ホルムアルデヒドの利用・分解
第4講演 縦型高速双ロール鋳造法を用いたアルミニウム合金の
リサイクル技術の現状と課題
東京電機大学理工学部理工学科機械工学系 准教授 原田 陽平 氏
優れた急冷凝固能を有する縦型高速双ロール鋳造法は、溶質原子の強制固溶や組織の微細化によ
って不純物の無害化に効果を発揮します。現在、本手法を活用したアルミニウム合金のリサイク
ルが期待されています。リサイクル技術の現状と残存する課題等を紹介します。
適用分野:アルミニウム合金板の鋳造、リサイクル、輸送機器など
第5講演 材料表面の超微細加工とナノスケール構造解析
東洋大学理工学部応用化学科 教授 片野 諭 氏
次世代材料を支えるナノサイエンスやナノテクノロジーの分野で「表面」の重要性がますます高
まっています。特に表面の構造や化学状態を原子・分子レベルの視点で理解することは、新しい
物質やエネルギーを作り出す上で重要な課題です。本講演では、走査トンネル顕微鏡とよばれる
特別な顕微鏡を使った材料表面の超微細加工とナノスケール構造解析について紹介します。
適用分野:半導体エレクトロニクス、ナノカーボン、化学センサー
第6講演 元素を礎にした新規化学種の発掘
東洋大学理工学部応用化学科 教授 佐藤 総一 氏
元素の周期表、第三周期以降のp-ブロック元素は、対応する第二周期元素と比べて非常にユニー
クな反応性や物性を示すことが知られています。中でも中心原子上にオクテットを超えた価電子
を有する高配位化合物が比較的安定に存在するという非常に面白い特徴があります。
本研究室ではこれまで未知の結合形態を有する新規高配位化学種の合成、構造解析、その反応性
についての研究を行っており、有機化学の視点から見て「異常」な分子の発掘に幾つか成功して
まいりました。本講演では、高配位化合物の電子的解釈から始まり、合成、構造解析、ならびに
理論計算に基づく知見なども併せてお話しさせていただきます。
適用分野:有機分子全般
第7講演 カルシウム複塩の材料活用可能性
日本大学生産工学部環境安全工学科 専任講師 亀井 真之介 氏
カルシウム材料は、セッコウ、石灰、セメントを代表に工業分野で広く用いられています。
当研究室では、カルシウム材料の高付加価値化を目指したカルシウム複塩の研究開発を行ってい
ます。一例として、カルシウム複塩のラピドクリカイト(Ca2(CO3)(SO4)・4H2O)の製造手法を紹介
します。建材として活用されているセッコウボードよりも、耐火性、耐強度性、長寿命のラピド
クリカイトボードが開発できるようになるかもしれません。
適用分野:カルシウム材料の有効活用に関心のある企業,
炭酸塩によるCO2固定化に関心のある企業
第8講演 ペーストのメモリーを利用したクラック発生の制御
日本大学理工学部一般教育 教 授 中原 明生 氏
高濃度固液混合ペーストは体験した振動や流れの方向を記憶し、その記憶に依存してクラックの
発生しやすさや伝播しやすい方向が決まります(ペーストのメモリー効果)。例えば、振動を記
憶したペーストは振動方向に垂直にクラックが伝播しやすくなり、流れを記憶したペーストは流
れた方向に平行にクラックが伝播しやすくなります。ペーストの記憶を上書きしてクラックの伝
播方向を変更することも可能だし、超音波照射で記憶を消去しクラックを発生しにくくする制御
も可能です。ペーストのメモリー効果はペースト中の固体コロイド粒子間の相互作用に起因する
ことから、近年ペーストに糖類などの紐状高分子を添加することでメモリー効果を強めたり無効
化する手法を開発したので説明します。
適用分野:塗料、化粧品、電子基板、食品、建築資材
第9講演 ダイヤモンド状炭素薄膜コーティングの医療・環境分野への応用
日本工業大学基幹工学部応用化学科 教 授 伴 雅人 氏
ダイヤモンド状炭素(DLC)は、主に炭素と水素からなり、ダイヤモンドに似た性質をもつ薄膜
状の物質です。これまで、耐摩耗性コーティングとして、情報メディアやエンジン部品などにて
実用化されてきました。近年は、お茶やワインのペットボトルの内面コート(耐酸化性)として
も知られるようになっています。さらにこの材料は、生体適合性、耐薬品性、抗菌性などの多彩
な特性をもつことから、これらを活かした新しい分野への適用も進められています。
本講演では、このようなDLC薄膜の新規分野として医療や環境に関わる技術への応用について、
当研究室で得られた研究成果を中心に概説します。
適用分野:医療機器、製薬業界、抗菌材料、環境化学物質、プラスチック業界、
リサイクル、環境ビジネス
第10講演 製品の信頼性向上に有効な接合技術
ものつくり大学技能工芸学部総合機械学科 准教授 平野 聡 氏
製造基盤技術のひとつである溶接・接合技術は製品の信頼性向上に直結する重要な技術です。
比較的新しい接合技術として、摩擦攪拌接合(FSW)という技術があります。この技術は丸棒状
のツールと呼ばれる部材を接合部に押し付けることで、摩擦熱で材料を接合します。材料を溶か
さないため、変形が小さいという特徴があります。また、材料が流動するとういう現象を応用す
ることで、新素材を創製できる可能性もあります。近年ではアルミ合金製の自動車部品などに使
われ始めています。本講演ではFSWの概要と応用例などを概説します。
適用分野:鋳造アルミ合金の接合、銅合金の素材及び製品接合
■申込方法
受講を希望される方は、参加申込Gooleフォームに記載し送信くださるか、
または、受講申込書をメール(sangaku@saitama-j.or.jp)で事務局までお送りください。
受講者に、講演を視聴できるURLを開催日までに配信します。
1 Googleフォームによる申込の場合(こちらから申込ください)👇
2 メールによる申込の場合(こちらの申込を事務局に送信ください)👇
【シーズ発表会事務局】
公益財団法人 埼玉県産業振興公社【産学連携支援センター埼玉】
新産業振興部 産学・知財支援グループ 高 橋
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メール sangaku@saitama-j.or.jp