次世代自動車支援センター埼玉では、平成29年度第2回「軽量化研究会」を開催し最先端「新素材技術」について紹介しました。
産業技術総合研究所の羽鳥氏からは革新的な生産性を実現する新しい炭素繊維製造技術開発の取組について、京都市産業技術研究所の仙波氏からセルロースナノファイバー強化プラスチックについてご講演いただきました。講演後は活発な質疑応答が行われ、二人の講師から丁寧な回答を頂いて、最先端の材料技術開発についての理解を深めていただく事ができました。参加者から「プラスチック強化手法の知見が増えた」「開発の向う方向が参考になりました」などの感想が多数ありました。
今回も募集対象を軽量化研究会会員企業に限定せず一般企業にも広げて開催し、当センターの支援事業や軽量化研究会活動を紹介しました。また、講演会に先立ち、お互いのネットワーク作りに生かせるよう、参加各社の事業概要を自己紹介していただきました。休憩時間や講演終了後には参加企業間での名刺交換や講師への個別の質問など、積極的な交流が図られていました。参加者から「メーカーの自己紹介が良かった」とのコメントも頂いており、今後も継続いたします。
開催日時:平成29年9月20日(水)13:30~16:30
場所:新都心ビジネス交流プラザ4階 会議室C
参加者:26社33人
案内パンフレット
内容
1 軽量化研究会の紹介 および 参加企業紹介
次世代自動車支援センター埼玉 コーディネーター 乙部 豊
2 「革新的な生産性を実現する新しい炭素繊維製造技術の開発」
<講師>
国立研究開発法人産業技術総合研究所
エネルギー・環境領域 創エネルギー研究部門
副研究部門長 羽鳥浩章氏
<プロフィール>
1989年工業技術院公害資源研究所(現:国立研究開発法人産業技術総合研究所)入所。2001年~2015年エネルギー技術研究部門エネルギー貯蔵材料グループ長、総括研究主幹、副研究部門長、2015年から現職。その間、福井大学、東京大学大学院 客員教授。2011年~革新炭素繊維基盤技術開発プロジェクトに従事。
3 「セルロースナノファイバー強化プラスチック材料による構造部材の軽量化」
<講師>
地方独立行政法人京都市産業技術研究所 高分子系チーム
研究副主幹 仙波 健氏
<プロフィール>
1997年,京都工芸繊維大学高分子学科卒業、京都市工業試験場に入庁。2007年京都工芸繊維大学にてポリマーブレンドの研究で博士号取得。担当分野は、プラスチック加工、プラスチック複合材料。京都市域の企業を中心に発泡成形品、歯科製品、リサイクル製品、自動車材料の研究開発に携わっている。2003年頃より京都大学生存圏研究所・矢野教授の指導を受け、CNF/プラスチック複合材料の開発を開始し現在に至る。
次世代自動車支援センター埼玉では、県内の自動車産業に関わる企業の技術開発力強化を支援するため「モータ・パワエレ・水素エネルギー研究会」活動を行っています。今回のテーマは「燃料電池と水素インフラの動向について」とし、自動車のEV化が進む一方で、世界的な水素社会への進展の中で、FCVの位置づけや動向についてお話していただきました。
第1部の技術セミナーでは、52名(34社)の多くの皆さんにご参加いただき、活発な質疑応答がありました。第2部の研究会会員メンバーによる討論会でも、さらに踏み込んだ質問やコメントなど、予定時間を超過して活発な意見交換が行われました。進展する水素社会の中で、自動車メーカーのFCVへの取り組み姿勢、水素とCO2、再生エネルギーとの関係など、来るべき水素社会への展望が理解でき、大変有意義な研究会でした。
日時:2017年9月6日(水) 13:30~17:10
場所:新都心ビジネス交流プラザ4階 会議室C
パンフレット
第一部 <技術セミナー>
講演1
「Hondaにおける燃料電池自動車の開発と水素社会への取り組み」
(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター
第5技術開発室 第3ブロック
主任研究員 小谷保紀氏
【プロフィール】1993年、本田技術研究所入社。1998年から燃料電池システム開発部門にて、燃料電池システム、燃料電池スタックの開発を担当。現在に至る。
講演2
「水素社会実現に向けた取り組みについて」
岩谷産業(株) 産業ガス・機械事業本部
水素本部 水素エネルギー部
シニアマネージャー 梶原昌高氏
【プロフィール】1999年、岩谷産業入社。液体水素や水素発生装置の開発に従事、水素ステーション整備計画策定担当。2005年水素エネルギー部にて技術開発担当、2011年から企画・推進を担当、2016年から現職。工学博士。
講演3
「燃料電池タクシーや燃料電池バスの導入と水素インフラの整備」
埼玉県 環境部 エコタウン環境課 創エネルギー推進担当
主査 高野善文氏
第二部 <技術討論会>
次世代自動車支援センター埼玉では、ホンダの新型「NSX」開発で採用された軽量化技術にフォーカスを当て、平成29年度第1回「軽量化研究会」を開催しました。
新型「NSX」開発においては、HONDA独自の運動性能を引き出すため、軽量かつ高剛性なボディーを実現することが求められ、そのために、車体骨格構造や、材料選定、製造技術にいたるまで徹底してこだわり抜いたとのことです。今回、この新型「NSX」開発で採用された複数の素材を用いた車体技術について紹介していただきました。
また講演の前に、新型「NSX」の実車展示を行いました。間近で実車を見ることができる機会は少ないこともあり多くの参加者が見学され、大変好評でした。
今回も対象者を一般企業に広げて開催し、当センターの支援事業や軽量化研究会活動をPRしました。
また、講演会に先立ち、参加各社から自己紹介をしていただいたことでお互いの事業概要がわかり、休憩時間や講演終了後には参加企業間での名刺交換や講師への個別の質問など積極的な交流が図れたようです。
開催日時:平成29年6月28日(水)13:30~16:30
場所:新都心ビジネス交流プラザ4階 会議室C
参加者:30社46人
案内パンフレット
内容
1 軽量化研究会の進め方
次世代自動車支援センター埼玉 コーディネーター 乙部 豊
2 「NSXの高機能トランスミッションケース鋳造について」
<講師>
株式会社田島軽金属 営業技術本部
本部長 駒木 博氏
3 「Honda Super Sport NSX開発について」
<講師>
株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター
開発戦略室 技術広報ブロック
主任研究員 塚本亮司氏
<プロフィール>
1985年本田技術研究所に入社。1987年スポーツカー開発プロジェクトに参加、その後初代NSX開発に参画。1997年からS2000開発に参画し、車体系開発テスト責任者として従事。2011年から新型NSX開発の日本サイド車体開発テスト責任者として参画。現在に至る。
4 「Honda Super Sport NSXの車体軽量化の技術開発について」
<講師>
株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター
第9技術開発室 第1ブロック
主任研究員 松浦広和氏
<プロフィール>
2003年本田技術研究所に入社。CIVIC、FIT等のキャビン設計担当。2009年より次世代軽自動車の開発プロジェクトに参画。第一弾N-BOXの車体設計を担当。2012年から HONDA R&D America に駐在し、新型NSXの車体技術開発のテクニカルアドバイザーとして参画。2016年に帰任し、現在に至る。
参加者からの質問にも丁寧に答えていただきました。
次世代自動車支援センター埼玉では、県内の自動車産業に関わる企業の技術開発力強化を支援するため「モータ・パワエレ・水素エネルギー研究会」活動を行っています。今回のテーマは「最近のEV車両の技術動向とバッテリー技術動向について」とし、2件の講演をお願いしました。
第1部の技術セミナーでは、予想を超えて56名(34社)のご参加をいただきました。講演1では、日産自動車(株)の今後のクルマ方向性と新型ノートで採用されたe-Powerについてご説明いただき、講演2では、車載用電池の業界動向と今後の展望について、海外状況を含めてご説明いただきました。どちらも大変興味深い内容で好評でした。
また、講演会場の片隅に、かつて当センターにて実施した車両分解研究会で分解したバッテリーも展示しました。
第2部の研究会会員メンバーによる討論会では、さらに踏み込んだ質問やコメントなど、予定時間を超過して活発な意見交換が行われ大変有意義な研究会でした。
日時:2017年6月14日(水) 13:30~17:15
場所:新都心ビジネス交流プラザ4階 会議室A
パンフレット
第一部 <技術セミナー>
講演1
「日産インテリジェント・モビリティ」
~日産が考える今後のクルマの方向性~
日産自動車(株) 渉外部
担当部長 堀江浩史氏
【プロフィール】日産自動車入社後、FF車の車両/プラットフォーム開発を担当。1997年からデトロイトに駐在、米国専用ミニバン/ピックアップトラックの車両計画を担当。2004年から、栃木実験部でムラーノ、ティアナ、エルグランドの車両商品性主担として車両性能統括を担当。2008年から、EV先行開発部主担としてEV先行車両開発を担当。2009年から渉外部にてEV/FCV関連渉外業務を担当。
講演2
「自動車の電動化加速に伴う電池業界の動向と今後の展望」
名古屋大学 未来社会創造機構 客員教授
兼 エスペック(株) 上席顧問 佐藤登氏
【プロフィール】本田技研工業入社後、材料技術と電池技術の研究開発に従事。その後、電池研究室創設。2004年、韓国サムスンSDIに移籍、中央研究所にて技術経営に従事、その後本社経営戦略を担当。2013年から名古屋大学客員教授、およびエスペック(株) 上席顧問、現在に至る。工学博士。
第二部 <技術討論会>