産学連携支援センター埼玉では、大学・研究機関の研究・技術シーズと研究開発型企業が連携し、新たな製品・技術を開発する取り組みとして技術シーズマッチング会を開催します。 第3回産学連携技術シーズ発表会は、生命工学分野として産業の実用化が見込める技術シーズを講演します。大学・研究機関と連携し、貴社の製品・技術開発を推進したい企業の受講をお待ちしています。
〇第3回産学連携技術シーズ発表会【生命工学分野】
開催概要
■視聴できる期間
令和4年9月20日(火)~9月29日(木)10日間視聴できます
You Tubeを活用し視聴申込をされた方へ限定配信します
■視聴方法
視聴を希望される方は、受講申込をお願いします。
受講申込をされた方へ、講演録画を視聴できるURLを限定で配信します
URLは、受講者のメールアドレスに開催前日までにメールでお知らせします。
配信期間中はいつでも聴講可能です。
■参加費 無 料
■定 員 60名
■概 要
第1講演 傷害予防に必要な新コンセプトと材料特性による靴開発【20分】
埼玉県立大学 保健医療福祉学部理学療法学科 助教 清水 新悟 氏
靴の中には、インソールという中敷きが挿入されています。インソールの目的は,なくなった土踏まず(アーチ)をサポートすることからアーチサポートと呼ばれます.しかしながら,アーチサポートは衝撃吸収作用を客観的な数値で評価されていないため,主観的です.本研究では,アーチの無い扁平足の衝撃吸収作用を考慮した素材と形状を選定し,製作した足部アーチを靴に挿入することで新しい靴開発を行います。
【適用分野・用途・業界】靴製作メーカー、ゴムメーカー、ロボットの足部関係
第2講演 画像観測可能な新しい化学センサ【20分】
埼玉大学 大学院理工学研究科数理電子情報部門 教授 内田 秀和 氏
新しい化学センサについて動作原理と応用技術を解説します。このセンサは化学反応を二次元で可視化して画像として観測することが可能で、化学顕微鏡をシンプルな構成で提供します。一般的な測定手法と組み合わせることで、多様な分子認識や機能性分子の探索に適した新しいアプローチを提供します。さらに、空気中の分子を取り込めば臭気計測が可能となるため、健康管理や室内環境計測、安全保障の分野などへの応用が期待できます。
【適用分野・用途・業界】室内環境計測、健康管理、ウェアラブルセンサ、セキュリティ、創薬、医療診断、探知犬(空港検疫、災害救助など)
第3講演 ウィルス感染症の高感度・迅速検出【20分】
東京家政大学 家政学部環境教育学科 教授 池田 壽文 氏
ウィルスや癌マーカーを高感度且つ迅速(約1時間)に”直接”検出するシステムを開発しています。PCR増幅した後にターゲットを検出する従来の光学的手法とは異なって、生体試料から抽出したターゲットを電気化学的に”直接”検出する方法です。センサーとして人工核酸であるペプチド核酸( PNA )を用いており、DNAを用いたときに発生する酵素分解・再現性の問題をクリアしています。まず、持ち運び可能な家畜感染症の迅速診断を目指し、ゆくゆくは、ヒト癌の超早期診断に対応したPOCT装置開発を進めていく予定です。
【適用分野・用途・業界】
PNAカートリッジ:
①血液・唾液由来の特定遺伝子抽出 ②家畜糞便由来のウィルス抽出
PNAセンサーチップ:
①マイクロRNAを利用したがん超早期判定 ②変異株を含む各種ウィルスの迅速測定
第4講演 スタッフ不足を解消する質の高いリハビリテーションシステムの開発【20分】
東京家政大学 健康科学部リハビリテーション学科 准教授 磯 直樹 氏
病気や加齢によって低下した運動機能を効率的に改善するためのリハビリテーションシステムです。仮想現実を活用し、対象者にリアルタイムにフィードバックすることで効果的な練習が行え、リハビリテーション専門職のスタッフ不足を補います。
【適用分野・用途・業界】リハビリテーションを必要とする医療福祉分野(医療機関から在宅を含めた介護領域)
第5講演 細胞機能評価デバイスの開発【20分】
東京電機大学 理工学部理工学科電子工学系 准教授 大越 康晴 氏
ダイヤモンド状炭素膜(DLC)の成膜領域をデザインして、各種細胞に応じて、細胞の接着性特性を判定するデバイスです。従来の手法では、培養中の細胞の分布の偏差といった偶発的な外乱が問題となりますが、本発明では、同一培養環境下で複数のDLCを同時に評価することで、各種細胞に適したDLCの表面機能について迅速な選択を可能とし、一般的なDLCの細胞親和性評価ツールを創る基盤技術となります。
【適用分野・用途・業界】再生医療市場において、細胞治療用の細胞培養や、医薬品開発の効率化を図る細胞培養容器のバイオインターフェースとしての用途が期待される。
第6講演 安全な取扱いが可能な二本鎖DNA蛍光標識技術の開発【20分】
東京電機大学 理工学部理工学科生命科学系 助教 高橋 俊介 氏
耐熱・耐酸・耐塩基性の特性を持つDNA結合性タンパク質を利用した核酸染色技術であり、生命・医薬分野への活用が期待できます。生体分子由来のため、安全に取扱いが可能です。DNAとの親和性が高く細胞内核染色や1分子蛍光イメージングが可能で、化合物核酸染色試薬と比べ、退色時間が長く、長時間イメージングも期待できます。
【適用分野・用途・業界】 生命・医薬分野の研究試薬などを想定
第7講演 竹リグノへミセルロース成分と利用【20分】
東京電機大学 理工学部理工学科生命科学系 教授 椎葉 究 氏
1 濃硫酸や濃アルカリ、有機溶媒、塩類などを用いることなく、減圧マイクロ波処理、蒸圧処理と酵素処理の組合せにより、竹から調製したリグノヘミセルロース成分
2 抗酸化性、血しょうコレステロール上昇抑制、免疫賦活作用効果、プレバイオティクス作用などの生理活性効果を見出した。健康食品素材や化粧品への利用、更に飼料への利用
3 土壌環境汚染の浄化(バイオレメディエーション)用資材への利用
【適用分野・用途・業界 】
・抗菌・抗ウィルス作用、抗酸化、老化防止作用、UV カット作用による化粧品原料
・強い抗酸化性、低級脂肪酸を産生する腸内細菌の活性化作用により脂質代謝の改善や免疫作用の改善作用による健康食品分野
・竹細胞組織成分が乳酸菌の生育を促進。 ペットの健康促進機能をもつ飼料
・竹細胞組織成分のバイオレメディエーション促進効果による環境汚染物質の分解剤
第8講演 市販塩からの好塩菌の分離および
それらが生産する好塩性酵素の諸性質解析と精製【20分】
東洋大学 理工学部応用化学科 准教授 峯岸 宏明 氏
好塩菌が生産する好塩性酵素は高濃度の塩環境下で働けるだけでなく、耐熱性や耐有機溶媒性を有するものが多いことが知られています。一般的に、酵素反応は水反応系で行われるが、好塩性酵素を用いることで、これまで反応の場としての利用例が少ない有機溶媒存在下での反応が期待できます。本研究では好塩性酵素の社会実装を目指し、各種好塩性酵素を生産する微生物の探索と、それらが生産する酵素の精製・諸性質解析を行っています。
【適用分野・用途・業界】生物資源利用技術
第9講演 醤油諸味粕を減量・再資源化する好塩菌・耐塩菌の探索【20分】
東洋大学 生命科学部応用生物科学科 准教授 高品 知典 氏
醤油諸味粕は醤油生産のおける副産物であり、日本国内で年間約6万トン発生しています。現在、それらは肥料や飼料、燃料として再利用されていますが、脱塩・乾燥処理が必要であり、コスト・環境保全の面で課題が残されているといえます。そこで脱塩処理せずに醤油諸味粕を分解減量する好塩菌・耐塩菌の探索を試みました。その結果、30℃および4℃で分解する微生物の分離に成功しましたので報告します。
【適用分野・用途・業界】産業廃棄物や副産物の減量および再利用、食品および環境関連業界等
第10講演 挿入外来遺伝子の強力で均一な発現をおこす
染色体上の位置の同定と当該位置への遺伝子挿入【20分】
日本大学 医学部医学科糖尿病代謝内科学 教授 石原 寿光 氏
役割が未解明の遺伝子の細胞における機能を解析するために、当該遺伝子のcDNAあるいは当該遺伝子に対するshRNAを発現する遺伝子を染色体に組込み、発現させることが行われてきた。
しかし、挿入遺伝子の発現量が、細胞によって均一にならないという問題が存在しています。
本発明は,外来性に挿入した遺伝子を均一に発現させる細胞株を容易に作製できるようにしたものです。
【適用分野・用途・業界】細胞を用いた研究における外来遺伝子の均一な発現
第11講演 医用画像処理装置: 肝癌の自動抽出プログラム【20分】
日本大学 医学部医学科消化器外科学 准教授 中山 壽之 氏
肝癌は第5位の癌死亡数を占めている。その画像診断にはCT装置が用いられているが、癌腫の形状により悪性度が異なることが知られています。従来は手術で摘出された切除標本を肉眼により形状判定していました。我々は術前CT画像から肝癌を自動抽出し、その形態を分類することで、悪性度の違いを術前に判別できるシステムを構築しました。本システムにより肝癌に対する治療方針はより拡大し患者予後を改善できると考える。
【適用分野・用途・業界】医用CT、医用MRI、医用超音波など腫瘍形態の自動抽出と判定
第12講演 小型で取扱いが容易な甲状腺ヨウ素モニタ【20分】
日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所 放射線管理部 西野 翔 氏
原子力災害時には、住民や緊急作業者の内部被ばく評価のため、事故後早い段階で甲状腺モニタリングを行う必要があります。そこで、避難所等に持込んで使用できる可搬型の甲状腺ヨウ素モニタを開発しました。従来の甲状腺モニタは、病院等に固定された大型のものが多く、災害時に避難所等に持ち込んで使用することが困難でした。このモニタは、小型・軽量で可搬性に優れており場所を選ばず設置することが可能です。
【適用分野・用途】・緊急時医療 ・原子力災害時の内部被ばくモニタリング ・医療(放射性ヨウ素内用療法等)におけるヨウ素131体内残存量測定
第13講演 キューピー株式会社が保有する開放特許の紹介【20分】
キューピー株式会社知的財産室 特許戦略担当 石川 範行 氏
1 練りがらし等のペースト状香辛料の辛味・香味の長期保存技術
香辛料を油脂、乳化剤及び僅かな水とともに糖アルコール中に分散させた自己乳化性を有した組成物とすることで、辛味や香味を消失することなく長期間保存できます。
【適用分野・用途】練りからし・練りわさび・辛子麺
2 根菜類の軟化技術
根菜類を重曹水溶液に浸漬処理後、キレート効果を有する酸を配合した調味液で味付けします。
【適用分野・用途】介護食
3 コロナウイルス又はノロウイルス不活化剤
卵白に一成分であるリゾチームの熱変性物によりコロナウィルス又はノロウィルスを不活化します。
【適用分野・用途】徐ウイルススプレー等(ウエットティッシュを除く)
4 花粉・ハウスダスト等のアレルギー改善組成物 及びその原料(酢酸菌)
花粉・ハウスダスト・ホコリ等による鼻汁・鼻づまり等のアレルギー症状をアルデヒト酸化能の高い特定の酢酸菌により改善します。
【適用分野・用途】サプリメント・アレルギー改善食品
■申込方法
受講を希望される方は、参加申込Gooleフォームに記載し送信くださるか、
または、受講申込書をメール(sangaku@saitama-j.or.jp)で事務局までお送りください。
受講者に、講演を視聴できるURLを開催日までに配信します。
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第3回産学連携技術シーズ発表会(受講申込書)【Googleフォーム版)
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第3回産学連携技術シーズ発表会【生命工学分野】(受講申込書)
第3回産学連携技術シーズ発表会【生命工学分野】講演内容
【シーズ発表会事務局】
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