産学連携支援センター埼玉では、大学・研究機関の研究・技術シーズと研究開発型企業が連携し、新たな製品・技術を開発する取り組みとして技術シーズマッチング会を開催します。 第6回産学連携技術シーズ発表会は、農業・食品・化粧品に利用される技術として産業の実用化が見込める研究シーズを講演します。
大学・研究機関と連携し、貴社の製品・技術開発を推進したい企業の受講をお待ちしています。
〇第6回産学連携技術シーズ発表会【農業・食品・化粧品に利用される技術】
開催概要
■視聴できる期間
令和5年3月20日(月)~3月29日(水)10日間視聴できます
You Tubeを活用し視聴申込をされた方へ限定配信します
■視聴方法
視聴を希望される方は、受講申込をお願いします。
受講申込をされた方へ、講演録画を視聴できるURLを限定で配信します
URLは、受講者のメールアドレスに開催前日までにメールでお知らせします。
配信期間中はいつでも聴講可能です。
■参加費 無 料
■定 員 60名
■概 要(講演時間は各20分程度です)
第1講演 微生物の有効利用について
埼玉工業大学 工学部生命環境化学科 教 授 秦田 勇二 氏
地球上には約300万種類の微生物が存在しています。しかしながら、これまでに機能が調べられて
いる微生物は僅か1%であり、残り99%は能力未知の微生物たちです。人類は(僅か1%に含ま
れる)微生物を利用することで、お酒、ヨーグルト、パン、味噌、醤油などの食品を作ったり、
抗生物質などの医薬品を開発してきました。
したがって、いまだ手付かず「99%」の微生物がスクリーニング源だと判断すると、人々の生活
をさらに豊かにしてくれる微生物の発見が大きく期待できます。
私どもの研究室では、そのような(一部は企業からのリクエストに応える能力を持つ)有用な
微生物(或いはそれが持つ有用遺伝子・酵素など)を日々探索しています。
講演では、その研究事例を紹介します。
【利用に適用している分野・用途・業界】
食品、飲料、医薬品、化粧品、ハウスホールドケア用品、バイオエネルギー、抗菌、環境改善、
農業・産業廃棄物の有効利用など
第2講演 減塩パンの製造方法について
東京家政大学 栄養学部栄養学科 教 授 鍋谷 浩志 氏
減塩が、高血圧症などの生活習慣病や胃がんの予防に効果があることは良く知られています。
しかしながら、日本人の成人 1 日の食塩の平均摂取量は、WHO や厚生労働省の摂取目標基準
より多く、健康維持のためには、塩摂取量を控える必要があるとされています。
一方、通常の食パンは、一斤あたり食塩が 5g 程度含まれており、食塩の主要な摂取源となって
います。このため、パン類の食塩含量の低減化が強く要望されています。
そこで、本研究では、食塩の使用量を減らす一方で糖質を添加することにより、パンのおいしさ
(食感を含む)をなるべく維持した食パンの製造方法を開発しました。
講演では、その製造方法を紹介します。
【利用に適用している分野・用途・業界】
製粉、製パン企業・ホームベーカリー(家電)
第3講演 パンや麺類の食感などを制御する技術について
東京電機大学 理工学部理工学科生命科学系 助 教 高橋 俊介 氏
パンの体積の増大、パンや麺類の弾力性の向上、小麦粉の白色化効果など小麦粉の二次加工に
小麦由来のリポキシゲナーゼ酵素は重要な役割を果たすことが知られています。
これまでリポキシゲナーゼは小麦胚芽から単離されていたが、希少な成分であることから、
存在量が少なく、大量に生産することができなかった。この課題を解決するため、
本研究ではパン酵母を用いてイネ科植物リポキシゲナーゼを発現及び抽出した。
これによりリポキシゲナーゼが小麦粉に与える影響の評価や小麦粉の二次加工を促進させるこ
とが可能になった。
【利用に適用している分野・用途・業界】
食品業界など
第4講演「竹」抽出物及び免疫賦活組成物並びにそれらの製造方法について
東京電機大学 理工学部理工学科生命科学系 特定教授 椎葉 究 氏
この研究では、竹由来成分により抗酸化性、血しょうコレステロール上昇抑制、免疫賦活作用
効果などの生理活性効果を見出しました。健康食品素材や化粧品への利用、更に飼料への利用
が期待できる技術です。
濃硫酸や濃アルカリ、有機溶媒、塩類などを用いることなく、減圧マイクロ波処理、蒸圧処理
と酵素処理の組合せにより、生理機能性を有するヘミセルロース成分組成物を容易に調製する
ことが可能です。
【利用に適用している分野・用途・業界】
1 抗菌・抗ウィルス作用、抗酸化、老化防止作用、UVカット作用による化粧品原料
2 強い抗酸化性、低級脂肪酸を産生する腸内細菌の活性化作用により脂質代謝の改善や
免疫作用の改善作用による健康食品分野
3 竹細胞組織成分が乳酸菌の生育を促進。ペットの健康促進機能をもつ飼料
4 竹細胞組織成分のバイオレメデーション促進効果による環境汚染物質の分解剤
第5講演 有用タンパク質の増産を目指した新規エピトープタグの開発
日本大学 生物資源科学部 准教授 舛廣 善和 氏
近年、洗剤のなかに含まれる分解酵素や医療に使用される組換え体製剤(抗体薬、インスリン
や成長ホルモンなどのペプチド性ホルモン等)などの有用組換え体タンパク質が社会的に大き
く貢献しています。さらにこの分野では、高機能化した組換え体の開発も盛んです。
しかし、これらが実用化され、多くの人に利用されるためには低価格での販売が重要です。
そのためには大量に発現することが望まれます。組換え体産生では翻訳後修飾が重要な場合、
真核生物の利用が望ましいが、発現後の分解により低産生となる場合がありました。
本研究では、真核細胞内で強力な分解耐性能(主にプロテアソーム)を発揮する『スタビロン
タグ』を開発しました。講演では、その開発事例を紹介します。
【利用に適用している分野・用途・業界】
有用タンパク質の増産、洗剤に含まれる高機能酵素の量産、再生医療に使用する高機能タン
パク質、抗体薬の産生、栄養源のタンパク質の産生・化粧品、製薬、食品、農業
■申込方法
受講を希望される方は、参加申込Gooleフォームに記載し送信くださるか、
または、受講申込書をメール(sangaku@saitama-j.or.jp)で事務局までお送りください。
受講者に、講演を視聴できるURLを開催日までに配信します。
1 Googleフォームによる申込の場合(こちらから申込ください)👇
第6回産学連携技術シーズ発表会(受講申込書)【Googleフォーム版)
2 メールによる申込の場合(こちらの申込を事務局に送信ください)👇
第6回産学連携技術シーズ発表会【農業・食品・化粧品に利用される技術】(受講申込書)
【シーズ発表会事務局】
公益財団法人 埼玉県産業振興公社【産学連携支援センター埼玉】
新産業振興部 産学・知財支援グループ 高 橋
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