産学連携支援センター埼玉では、大学・研究機関の研究・技術シーズと研究開発型企業が連携し、新たな製品・技術を開発する取り組みとして技術シーズマッチング会を開催します。 第3回産学連携技術シーズ発表会は、生命工学・医療・食品・農業領域として産業の実用化が見込める技術シーズを講演します。貴社の製品・技術開発で大学・研究機関から技術指導・共同研究を受けたい企業は、ぜひ受講ください!
〇第3回産学連携技術シーズ発表会【生命工学・医療・食品・農業領域】
開催概要
■視聴できる期間
令和5年11月1日(水)~11月10日(金)10日間視聴できます
■視聴方法
講演の視聴を希望される方は、受講申込をお願いします。
受講申込をされた方へ、録画講演を視聴できるURLを限定で配信します
URLは、受講者のメールアドレスに開催前日までにメールでお知らせします。
配信期間中はいつでも聴講可能です。
■参加費 無 料
■定 員 60名
■概 要(講演時間は各20分程度です)
第1講演 ゲノム情報等を利用して狙い通りの新品種候補を作る
埼玉工業大学工学部生命環境化学科 准教授 秋田 祐介 氏
バイオテクノロジーと分子生物学の研究は、コストや法律の面から企業が実施するには非常に
難しい研究分野のため、大学や研究機関が中心となって進めています。
本発表会では、育種に利用されている最新のバイオテクノロジーとゲノムや遺伝子を中心とし
た分子生物学研究についてお話しします。また、これらの研究成果を融合・利用して、どうや
って狙い通りの新品種作るか?ということについてご紹介します。
適用分野
農業(育種・園芸) 食品・香料 医薬品・化粧品
第2講演 地域でケアを担う職種の人材育成とそれに伴うサービス提供の提案
埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科 教授 林 裕栄 氏
地域で働く看護職(訪問看護師・特養などの施設看護師)や介護職など多様なケアラー(外国
人材や一般住民含む)がやりがいと達成感、誇りをもって、活き活きと働き続けられる環境づ
くりを提供するために、①教育体系の構築、②安心・安全なケア体制づくり(カスタマーハラ
スメント対策を含む)、③多様な人材の活用、④福祉機器・用具の活用によるケア負担の軽減
などをもとに安心してケアが提供できる環境の確保を目指して研究しています。
これにより療養者とその家族が安心安全なケアを受けることができることを願っています。
適用分野
医療福祉、介護機器、外国人材、教育、学習
人材派遣、シルバー人材、外国人材、教育研修、経営管理、コンサルディング、情報サービス
第3講演 昼間の活動と夜間睡眠の関係
-子どもから高齢者の睡眠と健康を考える-
埼玉県立大学保健医療福祉学部作業療法学科 教授 久保田 富夫 氏
私たちは、これまでの研究で在宅高齢者の昼間の活動と夜間の睡眠の関係について研究を行い、
日本睡眠学会や日本時間生物学会で発表してきました。高齢者は病気などの影響で、ベッドで
過ごす時間が長いことが特徴で夜間睡眠に影響を及ぼす方もいます。
さらに、夜間にトイレに起きてしまい、再度眠りにつくのが難しい問題もあります。
私はこれまで、「学生はなぜ授業中眠くなるのか」「睡眠の不思議」などの講演や睡眠準備体
操の開発などを行い、睡眠と健康の問題に取り組んでおります。
適用分野
健康関連分野(睡眠関連)、健康教育(学校)、高齢者施設などの健康管理領域、健康関連用品の開発
・性能テストなど、学校・自治体などの学習環境や睡眠時間管理の分野、介護支援業界など
第4講演 電子顕微鏡を用いた細胞診検査法の開発
埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科 准教授 矢野 哲也 氏
細胞診検査はパパニコロウ染色標本を光学顕微鏡にて観察し、がんなどの異常細胞を判定する
検査です。簡便で安価な検査であり、検診から推定診断まで広く普及しています。
しかし、光学顕微鏡での形態学的解析では分からないことも多く、分解能の高い電子顕微鏡を
用いた補助的観察によって、より精度の高い検査を行うことを目指し研究しています。
適用分野
医療、生物学的研究、電子顕微鏡を用いた細胞診検査判定機器の開発、普及
第5講演 竹の食物繊維を用いたおいしい食品と保健的効能
東京電機大学理工学部理工学科生命科学系 特任教授 椎葉 究 氏
生竹(孟宗竹)は、粉砕、乾燥しても、①繊維が固い、収斂味、苦み、臭いが強い ②安全性
の問題(微生物 他) ③二次加工性阻害物質(還元物質)の存在のため食に適さない。減圧
マイクロ波処理装置を用いて処理した竹繊維は、①~③を解決するだけでなく、食物繊維とし
て保健的効能(免疫賦活化活性効果、腸内環境改善効果等)が認められました。
結果、パンやお菓子への利用、健康食品への利用が考えられ、環境保全との相乗効果が期待さ
れます。
適用分野
食品、飼料、化粧品
第6講演 固体NMRによるでんぷん構造と物性の相関解明
東洋大学食環境科学部食環境科学科 教授 加藤 悦子 氏
私たちの研究室は、でんぷんの高次構造と食感などの物性の相関について研究を進めています。
食品開発は実際に調理した食品の食感を評価することが大事ですが、そのためには多くの材料
と時間がかかります。我々は、でんぷん加工食品の物性(食感)が、原料のでんぷんの高次構
造と相関があるのではないかと仮説をたて、その検証を行ってきました。でんぷんの高次構造
解析には固体NMRという手法を用いています。
その結果、例えば、炊く前の”コメ”のでんぷん構造と炊飯後の”ご飯”の食感に相関があること
などを明らかにできました。この結果は、炊飯することなく、少量のコメから食品の物性を予
測できる可能性を示しています。ここでは、実際の研究例を紹介します。
この技術はでんぷん加工食品開発へ貢献できるものと考えています。
適用分野
食品加工分野、食品開発など
第7講演 がん細胞の脂肪酸代謝特性を活用した、高精度がん早期診断法の開発
日本大学医学部機能形態学系生体構造医学部分野 助教 加藤 侑希 氏
がんに対する最も有効な治療戦略として、早期からの治療介入が挙げられる。そのためには、
早期診断に貢献する技術革新が欠かせない。我々は、卵巣がん患者では、がん組織中の脂肪酸
代謝特性の変化に起因して、血清中の8種の遊離脂肪酸濃度が、健常人に比し、 早期から劇的
に変化することを明らかにした。
更に、これらの血清中遊離脂肪酸を用いて、高精度な新たながん早期診断モデルを構築した。
本発表では、この研究成果の詳細を紹介します。
適用分野:医療分野
用途:がん早期診断・スクリーニング、血液検査、がん再発モニタリングマーカーなど
第8講演 植物の根の温度制御が実現する新しい農業
日本大学生物資源科学部花の科学研究室 教授 窪田 聡 氏
植物の根の温度(根域温度) は植物の成長に多大な影響を与え,根域温度の制御は効率的な
農業生産のみならず, 農業の脱炭素化と地球温暖化による高温下における農業生産に大きく
貢献します。根域を加熱・冷却するために開発された根域環境制御装置(N.RECS)の能力と
N.RECSによる根域温度制御が農作物の生育と開花に及ぼす影響について実例を示しながら,
根域温度制御がもたらす新しい農業の可能性について説明します。
適用分野:農業関連分野
第9講演 生物発光を利用した疾病関連マーカーの迅速検出法の開発
国立研究開発法人産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門 蟹江 秀星 氏
α1-酸性糖タンパク質(AGP)は、ヒトやその他のほ乳類の血中や尿中にみられる生体分子で
す。AGPの存在量は疾患状態に応じて変化するため、AGP量を簡便・迅速に調べる手法の開発
が進められています。研究代表者は「AGPを含むヒト血清試料にウミホタル由来の発光物質を
加えると直ちに発光し、その発光量がAGP量と相関する」ということを見出しました。しかし
ながら、尿に含まれるAGPは微量であるため、検出感度の問題から尿中AGPの定量には、ウミ
ホタル由来の発光物質を利用できないという問題がある。そこで本研究では、発光量に基づく
尿中AGP定量に利用可能な発光物質を創出することを目指します。
第10講演 「ナノ触媒 × 酵素」による高効率なファインケミカル合成技術
国立研究開発法人産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門 三重 安弘 氏
医薬等の合成において、酵素反応を利用することは特異性や効率の観点で大変有用ですが、
当該反応を継続的に進行させるためのエネルギー供給法が、コスト・環境負荷の点で課題とな
っています。我々は最近、高活性な多孔性電極を開発し、電気化学的に酵素反応を連続活用で
きることを示しました。電気化学法は再エネ電力を効率的に活用でき安価な系を構築可能であ
ることから、SDGsに資する物質生産/酵素活用技術になると期待しています。
第11講演 トンボ由来の紫外線反射・超撥水物質
国立研究開発法人産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門 二橋 亮 氏
日差しに強いトンボの仲間が分泌する紫外線反射ワックスの主成分を同定したところ、他の生
物が産生するワックスと異なり、極長鎖メチルケトンと極長鎖アルデヒド(具体的な機能や性
質は未解明)が主成分であることを発見した。トンボのワックス主成分を化学合成して結晶化
させたところ、強い紫外線反射能と撥水性が再現された。紫外線反射や撥水性を向上させる添
加物として、化粧品分野や塗料組成物としての利用を想定しています。
■申込方法
受講を希望される方は、参加申込Gooleフォームに記載し送信くださるか、
または、受講申込書をメール(sangaku@saitama-j.or.jp)で事務局までお送りください。
受講者に、講演を視聴できるURLを開催日までに配信します。
1 Googleフォームによる申込の場合(こちらから申込ください)👇
第3回産学連携技術シーズ発表会(受講申込書)【Googleフォーム版)
2 メールによる申込の場合(こちらの申込を事務局に送信ください)👇
第3回産学連携技術シーズ発表会【生命工学・医療・食品・農業領域】(受講申込書)
【シーズ発表会事務局】
公益財団法人 埼玉県産業振興公社【産学連携支援センター埼玉】
新産業振興部 産学・知財支援グループ 高 橋
〒338-0001 埼玉県さいたま市中央区上落合2-3-2 新都心ビジネス交流プラザ3階
TEL. 048-857-3901 FAX.048-857-3921
メール sangaku@saitama-j.or.jp