産学・知財支援グループでは、大学・研究機関の研究・技術シーズと研究開発型企業が連携し、新たな製品・技術を開発する取り組みとして技術シーズマッチング会を開催します。第4回産学連携技術シーズ発表会は、エレクトロニクス・製造技術に関する分野として産業の実用化が見込める技術シーズを講演します。貴社の製品・技術開発で大学・研究機関から技術指導・共同研究を受けたい企業は、ぜひ受講ください!
〇第4回産学連携技術シーズ発表会
【エレクトロニクス・製造技術に関する分野】
開催概要
■視聴できる期間
令和6年11月25日(月)~12月6日(金)12日間視聴できます
■視聴方法
講演の視聴を希望される方は、受講申込をお願いします。
受講申込をされた方へ、録画講演を視聴できるURLを限定で配信します
URLは、受講者のメールアドレスに開催前日までにメールでお知らせします。
配信期間中はいつでも聴講可能です。
■参加費 無料 ■定 員 60名
■概 要(講演時間は15分~20分程度です)
第1講演
ものづくりのDXを加速する生産ラインの状態監視技術の研究
埼玉工業大学 工学部 教 授 河田 直樹 氏
少子高齢化社会のものづくりの現場の人手不足は深刻な問題であり、特に現場で培ってきた
技術・技能の教育・伝承は急務であるにも関わらず、なかなか進んでいないのが現状です。
現場の人手不足は、 自動化やDXで解消することが期待されていますが、 これらを導入する
には製造条件の管理が必須要件となり、生産ライン全体の状態監視が重要であると考えます。
生産ライン全体の状態監視の実現には、リアルタイムでの測定・解析・判別の他、品質に関
わる良し悪しの評価が重要です。本研究では、生産ラインのモデルラインを使い、状態監視
技術を学びながら、実際のラインの測定・解析・判別に加え,品質の評価を検討するしくみ
を体系化したので紹介します。
適用分野:
製造現場の自動化やDX、生産ラインの異常診断、ものづくりに関わる業界全般
第2講演
フライス加工のエッジ品質(バリ・コバ欠け)を加工前に知る!考案した予測手法の紹介
芝浦工業大学 機械工学課程基幹機械コース 教 授 澤 武一 氏
機械加工後に工作物のエッジに発生するバリやコバ欠けは恒久的かつ基本的な課題です。
従来からバリやコバ欠けを抑制する加工手法や切削工具、切削条件に関しては多くの報告が
なされており、実用されているものも多い。 しかしながら、生産現場で加工される形状は
複雑なため、どこに、どの程度のバリやコバ欠けが発生するかは予測できず、バリやコバ欠
けは切削後に判明し、事後処理的な対策となっています。ここで視点を変えると、既報では
バリやコバ欠けを抑制する取り組みが主であり、工作物エッジのどこの部分に、どの程度の
バリやコバ欠けが発生するかという切削後のエッジ品質を予測する取り組みは行われていま
せん。本研究では、正面フライス加工を行った後に工作物エッジに発生するバリやコバ欠け
を事前予知する手法を考案しましたので報告します。
適用分野:
機械加工業全般
第3講演
機械学習や量子コンピュータを用いた電波伝搬シミュレーション法
東京電機大学 工学部情報通信工学科 教 授 今井 哲朗 氏
携帯電話や無線LANの無線エリアを設計するには電波伝搬のシミュレーションが必要となり
ます。 近年ではシミュレーションにレイトレーシング(光線追跡)法が利用されますが、
精度の良い結果を得るためには多くの演算時間が必要となります。
本講演では、高速かつ高精度な演算を実現するために検討している、機械学習や量子コンピ
ュータを用いた電波伝搬シミュレーション法について紹介します。
適用分野:
無線通信機器開発、ローカル5Gの導入、無線LANの設置、センサネットワーク
第4講演
簡便・低コスト化を実現する立体フォトマスクを用いた3次元レジストパターン形成の新方法
東京電機大学 工学部先端機械工学科 教 授 小林 宏史 氏
光リソグラフィ技術を用いて数10μmから数100μmの3次元形状のレジストパターンを製作す
るニーズがあります。例えば、医療分野で検討されているマイクロニードルや工業分野で用
いられるマイクロレンズアレイの製作に利用されています。本講演では、この3次元形状の
レジストパターンを簡便・低コストに製作する方法として研究を進めている、立体的な形状
のフォトマスク(立体フォトマスク)を用いた投影露光技術について紹介します。
適用分野:
医療分野、工業分野での3次元形状のレジストパターンを試作・製造する場面など
第5講演
車載計測データに基づくドライバの潜在的な異常検知技術
東洋大学 理工学部機械工学科 教 授 鈴木 宏典 氏
ドライバが通常とは異なる状態で自動車を運転すること、すなわち、ドライバの異常が交通
事故原因の一つとなっています。ドライバの明らかな異常は、顔表情を撮影するカメラ等を
基にした「ドライバモニタリングシステム」によって検知する技術開発が進んでいます。
しかしながら、ドライバの明らかな異常に至るまでには、明確ではないけれども、どこかい
つもとは様子が違う「潜在的な異常」が生じているはずです。この「潜在的な異常」を検知
することこそが、早期に交通事故の芽を摘む大きな役割を果たすことに着眼しました。
本講演では、顔表情カメラや生体信号計測に依存せず、従来の車載計測データを利用して、
ドライバの潜在的な異常を高精度かつ低コストで検知する技術を紹介します。
適用分野:
自動車関連分野、センシング分野、ドライバの状態計測、センシング、自動車関連業界
第6講演
低消費電力・広帯域電圧制御発振回路
日本大学 理工学部 教 授 佐伯 勝敏 氏
当研究室は、脳の電子回路モデルを構築する次世代型AIの研究やヒトの五感の嗅覚に相当す
る匂いセンサ、あるいは生体からの信号を情報処理し、医療診断に役立てる研究を行ってお
り、集積回路化も行っている。今回、シュミットトリガインバータを用いる新しい電圧制御
発振器を提案する。シュミットトリガインバータは閾値を2つ持つため1段構成で弛張発振で
き、更に帰還回路にMOSFETを逆ダイオード接続し、回路面積を削減している。帰還電流量
はMOSFETのコンダクタンスに比例するため、広帯域性に優れ、回路構成素子が少ないため
小面積・省電力性にも優れる。提案回路は、20℃環境下で133μW~182μW程の省電力性と
136Hz~191MHzの広帯域性、111μm^2の小面積性を実現している。
適用分野:
通信機器等電子回路分野
第7講演
自転車の走行状態計測と不安全走行の判別
日本大学 工学部 教 授 高梨 宏之 氏
二輪車や自転車,さらにはマイクロモビリティをより一層普及させるためには,安全・安心
に利用できる環境を実現することが最重要課題です。本研究では、自転車にいくつかのセン
サを装備し、走行時の速度やハンドル角度の変化、左右へのふらつきなどを計測します。
これらの計測データから自転車の走行状態を推定し、不安全走行を判断することで、自転車
利用者に警告を促すシステムの構築を目指します。また、自転車と自動車間、あるいは自転
車と道路間での通信が実現できれば、自転車の存在を周辺車両や周辺歩行者に通知できるよ
うになり、将来的には自動車と自転車の事故低減が期待できます。
適用分野:
本システムを実現できれば、レンタサイクルなどでの機体の管理なども可能であると考えている
第8講演
鋳造から始めるデジタルものづくり
ものつくり大学 技能工芸学部情報メカトロニクス学科 教 授 岡根 利光 氏
データやデジタル技術を活用した製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の議論
が進んでいます。鋳造のプロセスにおいても、古くからシミュレーションや3Dプリンターが
活用されています。欠陥を減らし、薄肉軽量化、より複雑な形状を実現することにより、
鋳造品とそれを利用した製品の高品質化・高性能化・高付加価値化に貢献しています。
鋳造におけるデジタルツールの活用について、現状と将来展望を紹介します。
適用分野:
自動車、航空機、産業機械など
第9講演
放射線による半導体の誤動作率を迅速・低コストに評価する技術
日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所 研究副主幹 安部 晋一郎 氏
空から地上へと降り注ぐ宇宙線によって引き起こされる半導体チップのシングルイベントア
ップセット(SEU)は、電子機器の一時的な誤動作(ソフトエラー)の一因として知られて
います。本発表では、放射線挙動解析コードPHITSによるシミュレーションを活用することで、
任意の中性子源による1つの測定結果から半導体ソフトエラー率を評価できる技術を紹介しま
す。この技術は国内外にある一般の中性子源を用いたソフトエラー率を迅速かつ低コストで
評価するもので、信頼できる半導体チップの開発ペースを加速させることが期待できます。
適用分野:
電子機器の信頼性評価、半導体産業など
第10講演
フルフェイス作業の新常識! 安全・快適ツールでピタッと固定
日本原子力研究開発機構 核燃料サイクル工学研究所 小野 洋輔 氏
不便・不安全を現場のアイディアで解決し、製品化した事例を紹介します!! 作業環境が悪い
場合、フルフェイス型の防護具装着が必要です。この時、顔との“密着“が重要ですが、メガネ
をかけていると柄の部分で隙間ができてしまい、密着効果が低下します。そこで、メガネ本体
のみを外側から磁石でピタッと固定するツール用いて、“密着“と“視界“の両立を可能にしまし
た。既に所有している防護具の改造が不要で、メーカーフリーに対応できます。さらに、状況
に応じて様々なデバイスの装着に応用できるため、幅広い分野・用途への活躍が期待できます。
適用分野:化学、生物、医療、原子力、消防、汚染・清浄環境
第11講演
光・電波制御の最前線!微細構造体が創る高機能部材
産業技術総合研究所 製造技術研究部門 研究主幹 栗原 一真 氏
我々は、ナノ構造体の金型技術とプラスチクス成形加工技術を応用し、光や濡れ性、電波など
を制御できる高機能部材の開発を行っています。光制御部材では、車載・AR/VRなどの次世代
画像機器や次世代情報通信に向けて、加工性や耐久性に優れた偏光部材や、5G/6G帯域用の電
波吸収体を開発しています。また、ナノ構造体の成形加工技術を横展開することで、高精度な
接合が可能な流体分析チップなどの開発を開発し、社会実装するための橋渡し活動を行ってい
ます。本講演では、独自開発しているDX技術も有効活用しながら開発する高機能部材について
紹介を行います。
適用分野:
自動車の部材、医療や分析用チップ、5G/6G電波帯域用部材、DXを活用した製造管理
■申込方法
受講を希望される方は、どちらかの方法で申込をお願いします。
受講申込をされた方には、講演を視聴できるURLを開催日までに配信します。
方法1 Googleフォームに受講内容を記載頂きまして事務局に申込ください👇
第4回産学連携技術シーズ発表会(受講申込書)【Googleフォーム版)
方法2 募集パンフレットに受講内容を記載頂きまして事務局申込ください👇
送信先のメールアドレス sangaku@saitama-j.or.jp
第4回産学連携技術シーズ発表会【エレクトロニクス・製造技術に関する分野】(受講申込書)
【シーズ発表会事務局】
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新産業振興部 産学・知財支援グループ 高 橋
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