〜ホテル仕込みの接客を武器にゼロからの挑戦〜
代表:阿部 誠(あべ まこと)さん
起業概要
起業 | 2012年 |
起業年齢 | 54歳 |
起業資金 | 約350万円 |
業務内容 | 介護タクシー業 |
所在地 | 秩父市 |
ホームページ | http://abekea.versus.jp/ |
略歴
- ホテルマンとして34年勤務
- 52歳:会社都合で退職
- 53歳:新聞広告をきっかけに、介護タクシーでの起業を決意
- 54歳:起業。1年間地域の同業者グループに入り経験を積む
- 55歳:グループを離れ、営業先の開拓から再出発
- 59歳:奥様も加わり、2台体制に事業拡大
ウィークリースケジュール
- 月:送迎(定期通院)
- 火:送迎(通院、一時帰宅)
- 水:カラオケへ送迎・食事介助
- 木:送迎(通院2件)
- 金:送迎(通院、一時帰宅)
- 土:休
- 日:東京ドームへ送迎・付き添い
ホテルマンの接客経験を生かすために起業
長年勤めたホテルを退職した後、たまたま新聞で介護タクシー協会の広告を見て「これだ!」と思い、この世界に飛び込みました。ホテルマンとしての接客を生かせるのではないかと思ったのです。
車の2種免許やヘルパーの資格を取りつつ、車両や車いすなどをそろえました。そして、起業して1年間は、先輩同業者のグループに入り、仕事を回してもらいながら経験を積みました。
慣れない営業に苦労するが妻の支援で奮起
起業して一番大変だったのは、営業回り。介護施設や病院を回るのですが、営業の経験はゼロで、パンフレット片手に門の前まで行って、一歩踏み出せず踵を返す日もありました。
経済面から、アルバイトを始めようとしたとき、妻から「それよりも、もっと営業を頑張って」と発破をかけられたのです。そこからは必死でした。自分が膝の手術で入院した時も、看護師さんに営業したり…。軌道に乗ったと思えたのは起業して3年後位。その間は妻も介護の仕事をして、生活を支えながら人脈を築いてくれました。
型にはまらず一人一人のお客様に向き合う
54歳での起業は不安でしたが、「始めたからにはやるしかない!」という気持ちで続けてきました。
前職のホテルマンは「この方はどうしたら喜ぶか、入口で判断しろ」という世界。その経験のおかげで、型にはまった送迎ではなく、一人一人のお客様に向き合う仕事ができているのだと思います。
実は介護タクシーのニーズは、通院や一時帰宅だけに限りません。通院帰りに外食や、趣味のカラオケに行きたいとか…。カラオケなら、手が不自由なお客様のためにリモコンを操作したり、食事やトイレの介助もします。お客様の喜ぶ顔が何より嬉しいですね。
地域で築いた信頼をもとに次のステップへ準備中
依頼も増え、3年前からは妻との2台体制でやっています。最近はますます利用が増え、今後はメンバーを増やし、より多くの依頼を受けられるようにしたいですね。
教えて!先輩起業家
お客様を増やすコツは?
- あらゆる機会を営業に結びつける。飛び込み営業をためらわない。
- 「できない」と答える前にどうすればお客さまのニーズに応えられるかを考える。
- いざという時に助け合える家族の協力が大事。また“信頼できる”仲間を探そう。
(2020年1月掲載)