〜手の不自由な方にも編む楽しみを届けたい〜
代表・手編み講師:平田 のぶ子(ひらた のぶこ)さん
企業概要
起業 | 2015年 |
起業年齢 | 56歳 |
起業資金 | 約180万円 |
業務内容 | オリジナル商品の製造販売、手編み講師業 |
所在地 | さいたま市見沼区 |
ホームページ | http://ciao-amiche.jimdo.com |
略歴
- 看護師として大学病院に勤務
- 25歳:結婚を機に退職、専業主婦に
- 47歳:手編み講師免許を取得し、作品販売や講師業を始める
- 53歳:『ユニバーサルかぎ針』のアイデアを思いつく
- 55歳:ご主人逝去
- 56歳:開業
- 57歳:『ユニバーサルかぎ針あみ〜ちぇ』販売開始
デイリースケジュール
- 6時:起床 家事 SNSのチェックや更新
- 9時:支度をして外出
- 10時:東大宮のカフェで編み物教室
- 13時:昼食 移動
- 14時:老人ホームで編み物レクリエーション
- 17時:帰宅 家事 夕食
- 20時:ネット注文分の商品梱包・発送
- 21時:展示会に向け作品の制作
- 23時:就寝
アイデアがひらめいたのは出張編み物教室
私は、手が思うように動かせない方でも手編みが楽しめる「ユニバーサルかぎ針・あみ~ちぇ」を考案、実用新案を取得して販売しています。
アイデアを思いついたのは、障害や高齢で手が動かせない方に向けて、出張編み物教室を開いていたとき。はじめは相手の手を取って一緒に編んでいたのですが、次第に自分で“編む”喜びを取り戻してほしいと思うように。しかし、そのための商品がなく、自分で作るしかないと、紙粘土などを使って試作を始めました。
病床の夫の言葉で自力での製品化を決意
最初は、手芸メーカーにアイデアを持ち込んで商品化できればいいと考えていました。そんな中、夫の末期がんが判明。病床の夫に「あのかぎ針は、お前にしかできないことだから、ちゃんと形にして人の役に立つんだよ」と言われ、自力での製品化を決めました。
分からないことは専門家にとにかく相談
この歳でビジネス経験がないのに起業することに、不安はありました。でも、ゼロからのスタートならば失うものもない。分からないことはとにかくプロに相談しました。支援機関の方に「平田さんほど支援を使いこなしている人はいませんよ」と言われるほど、迷ったら相談し、アドバイスは実践するようにしました。
さいたま市産業創造財団など、無料相談できるところに出向いては、資金が少ないことも含めて相談。補助金の情報や、インターネットを利用した広告を教えてもらいました。はじめはネットに名前や顔を出すのは抵抗がありましたが、アドバイザーから、起業するなら覚悟を決めるようにと言われ、今ではブログはほば毎日のように更新しています。
もう一つの”ユニバーサル“を目指し、夢は世界進出!
周りの薦めもあり、さいたま市のニュービジネス大賞に応募したら、なんと女性起業賞を受賞。それがきっかけで新聞や手芸誌から取材が来て、認知度が高まっていきました。
アイデア着想から3年半後、ネットショップや一部の手芸店で「あみ~ちぇ」の販売を開始しました。ホビーショーなどにも出展するうちに手芸講師から口コミで広まり、最近では手の不自由な方だけでなく、「ラクに編める」という理由で購入される方も増えています。 最終的には世界中の人に「あみ~ちぇ」を届けられたらと夢を描いています。
教えて!先輩起業家
アイディアをどう事業化した?
- 恥ずかしがらず、知らないことは専門家がいる支援機関に相談。
- 相談して満足するのではなく教わったことは必ず実行!
- 国の小規模事業者向けの補助金などを活用し製品化。
(2020年1月掲載)