【創業者紹介】造型工房キトラ

〜趣味を仕事にするからこそ心は熱く、頭はクールに〜

代表・造型師:岡 健之(おか たけし)さん

起業概要

起業 2017年
起業年齢 55歳
起業資金 約100万円
業務内容 模型作品の制作・販売
所在地 上尾市
ホームページ http://kitora-zoukei.com/

略歴

  • メーカーにて製品の企画・開発に携わる
  • 40歳:息子の宿題を手伝い作った怪獣がプロに認められ、会社員と造型師の二足のわらじ生活に
  • 42歳:展示会へ初の単独出典。起業を意識し出す
  • 54歳:早期退職し起業準備へ
  • 55歳:起業

ウィークリースケジュール

  • 月:工房にて作品制作
  • 火: 〃
  • 水:主催するイベントの打ち合わせ・準備
  • 木:作品制作 造形仲間と飲み会
  • 金:工房にて作品制作
  • 土:造形教室にて講師
  • 日:休

息子の宿題をきっかけに思ってもみない特技を発見

造型の楽しさを知ったのは、息子の夏休みの宿題を手伝ったことがきっかけ。粘土で作った怪獣が学校で評判になり、プロにも見てもらったら「センスあるね」と。その方のブースを間借りして、イベントで展示してもらえることになると、そこでも手応えがあって…。そこからはどんどんのめり込み、15年間ほど、会社員と造型師の二足のわらじを続けることになりました。
始めた頃は、まだ子どもが小さく、お金がかかる時期だったので、もちろん本業第一。それが、イベントに出展を重ねるうちに固定ファンが付くようになり、徐々に人気が出てきたのです。

起業への思いが高まる中、冷静に時期を待つ日々

ある程度の年齢になると、会社の中で、上の役職を目指すなど分かれ道が来ますよね。私の場合、造型という自分のやりたいことを見つけていたので、どうしてもそちらに行きたい気持ちが強くなっていました。
できるだけ早くスタートを切りたかったので、55歳での起業を目標に据え、それまでに子どもの学費確保や住宅ローンを払い終えるように努めました。実際には54歳のときに会社で早期退職者募集が出たのでそれに応募し、退職金の割増分で1年間の準備期間を設けることができました。

細部まで作り込み…

さまざまな場面で生きる会社員としての経験

好きな造型で食べていこうと思ったときに、会社員の経験はそこかしこで生きてきます。どんな作品にニーズがあるのかといった市場調査・企画から、いつまでに何を作るといったスケジュール管理、キャラクターの版権元とのやり取りなど、ビジネスの視点を持ってやれることが私の大きな強みです。

オリジナル作品「麒麟」

造型教室を開催し、後進を育成することも大きな喜び

東日本大震災後、出身地の福島県で子ども向けのワークショップを行ったことをきっかけに、今は上尾市自然学習館などで造型教室も開催しています。年に2回、全国の造型師が一堂に会すイベントがあるのですが、かつて私がそうしてもらったように、今は私の展示スペースに生徒の作品も飾り、成長を見守るのも大きな喜びです。人生で本当にやりたいことが見つかり、それを仕事にできるのは宝くじに当たるようなもの。できるだけ長く作品を作り、後進を育てるためにも、毎日1〜2時間のジム通いで体力作りすることも欠かすことなく続けています!

展示会やネットで販売 ©円谷プロ ©KADOKAWA、徳間書店、日本テレビ、博報堂DYメディアパートナーズ、日販/1999

教えて!先輩起業家

続けるためのポイントは?
  • 作りたいものを作るだけでなく市場のニーズにも目を向けよう。
  • イベントへの出展やSNSの更新はとにかく続けて固定ファンを獲得すること。
  • 事業を継続していくためにも、スケジュールや健康管理はしっかりと。

(2020年1月掲載)




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